L&K EDITORIAL / コーヒーの化学

香りと口当たりを支える脂質

脂質と口当たり。公開資料をもとに、学習、試作、購買相談で使いやすいようL&Kの読者向けに日本語で整えた記事です。

原文をもとにしたL&K編集記事

この記事で読めること

コーヒーの化学は、生豆に含まれる成分と、焙煎・粉砕・抽出で起こる変化をつなげて考えるための視点です。

脂質は香りの保持や口当たりの印象に関係する成分群です。焙煎度、粉砕、フィルターの違いが飲料に現れるため、抽出器具も一緒に記録します。

脂質と口当たり

一つの成分だけで風味が決まるわけではありません。成分の比率、豆の状態、熱の履歴、抽出条件が重なり、カップで感じる複雑さをつくります。

実務に置き換えるときは、香りと口当たりを支える脂質を読む前提として、原料、器具、測定方法、使用目的を同じ記録に残します。

一つの試行へ落とし込む

同じレシピで原料や焙煎を変えたとき、香り、酸味、苦味、余韻のどこが変わるかを記録してみます。

ここでの化学的な説明は、栄養、健康、カフェイン量、L&K商品の効果を主張するものではありません。

コーヒーに含まれる脂肪(または脂質)は、主にトリアシルグリセロール(中性脂肪とも呼ばれ、約75%を占める)、ジテルペン、ステロール、トコフェロールから構成されており、これらは一般的な植物油によく見られる成分です。アラビカ種の生豆の脂質含有量は平均約16%ですが、ロブスタ種はそれよりもかなり少なく、約10%です。

カフェインと同様に、焙煎によって脂質含有量が増加します。さらに、焙煎条件(時間と温度)の違いは、総脂質含有量に影響を与えません。生豆と焙煎コーヒーの脂質含有量の違いは、焙煎後の水分と乾燥物質の減少によるものであり、コーヒーに含まれる油分や脂肪分は熱に強く、焙煎後もほとんどがそのまま残ります。

コーヒー抽出過程において、脂肪は一定の役割を果たし、大きな影響を与えます。以下に、この過程における脂質の影響をいくつか示します。

  1. 風味と香りの創造:脂肪は、コーヒー特有の風味と香りを生み出す有機化合物の組み合わせの形で存在します。
  2. 水溶性物質の輸送:脂質は、焙煎コーヒーから抽出液へ、通常は水に溶けない物質(油に溶ける物質)を輸送するのに役立ちます。これらの化合物は抽出過程で放出・溶解され、コーヒーの豊かな風味と香りに貢献します。
  3. 感覚的効果(口当たり):脂肪はコーヒー抽出物の全体的な粘度と食感にも影響を与える可能性があります。脂質の存在は、滑らかさととろみ(口当たり)を感じさせることがあります。

しかし、コーヒーに含まれる化合物は、エスプレッソ抽出液の安定性に影響を与えるなど、いくつかの望ましくない問題を引き起こす可能性があります。

このテーマを次の判断につなげる

  • 脂質の話をそのまま濃度や品質の評価に置き換えない。
  • 対象成分が生豆由来か焙煎後に生じたものか
  • 変化が焙煎で起きたのか抽出で起きたのか
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